高麗人参を栽培する方法~連作編~
連作とは
連作とは、同じ畑で同じ野菜を植え続ける栽培方法のことです。野菜の収穫ができたら、畑を休ませることはせずに、また以前と同じ時期に種まきを行います。
連作が可能な野菜の場合、同じ畑を何度でも活用できるため、土地を効率よく使うことができるというメリットがあります。
アスパラガスやカボチャ、サツマイモ、タマネギ、ニンジン、ネギ、トウモロコシ、ニンニクなどの野菜は連作しやすい野菜として知られています。
高麗人参は連作が難しい
野菜のニンジンは連作が行いやすいですが、高麗人参については連作がしにくい野菜だといわれています。
高麗人参は約4~6年ほどの間、ずっと土の中に植えたまま育てる必要があります。そして長い歳月をかけて、土の中の栄養をたっぷりと吸収する性質を持っています。また、直射日光を避けて栽培するため、畑も陽の光を浴びる機会が少なくなります。
そのため、高麗人参を収穫した後の畑は質がかなり低下しており、病原菌や害虫がつきやすい状態になってしまうのです。
そのような状態の畑で連作を行おうとしても、高麗人参は育ちません。続けて高麗人参を育てたい場合は、もっとコンディションの良い別の畑を使って栽培する必要があります。
しかも、高麗人参の栽培に使ったことがない畑だったとしても、いきなりそこで栽培を始めることはできません。苗植えの前に、さらに畑のコンディションを高めなくてはいけないため、2~3年ほどの歳月をかけて調整する必要があります。
ちなみに、一度高麗人参の栽培で使った畑は、しばらくの間土を休ませることによって再度栽培が可能になります。しかし、栽培可能になるまでには少なくとも数年の月日が必要で、その間は高麗人参だけでなく、他の野菜も育てることが難しいです。
高麗人参を連作栽培するための取り組み
連作が難しい野菜というのは他にもありますが、なかでも高麗人参は特にデリケートな野菜のため、一昔前までは、畑を転々としながら栽培を続ける方法しかありませんでした。しかし、最近では農業の技術進歩により、なるべく短い期間で土地の質を復活させる取り組みがされています。
技術が進歩する前は土地の復活に10年ほどかかっていましたが、最近ではそれを数年の範囲に収めることに成功しています。
ただし、できるだけ質の良い高麗人参を作りたい場合は連作だと栽培が難しいため、今後も高麗人参の連作については、まだまだ改善の余地がある状態です。